きょうは「歩こう会」の濁川ウォークの予定でしたが、雨で中止。
以前いただいたチラシで、この映画上映があることを知り、雨ですが、近くだし行ってみることにしました。
チラシを見る限り、ちょっと地味な感じ・・・?(白内障手術のあと、近くは見えにくくなったので、この白抜きの文字すご~く見づらい!)
「恵庭事件」、聞いたことはありますが、北海道の自衛隊がらみの事件、裁判があった、ということくらいしかわかりません。
小淵沢の生涯学習センターには100人位?
知り合い少し。
北海道で酪農を営む野崎一家が、すぐそばに作られた基地の騒音にさらされ、人も牛もストレスから病気になったり、乳の出が悪くなったり・・・
生活が脅かされない、という約束は守られず、やむにやまれず、息子さんが基地の通信線を切断、自衛隊法によって起訴される・・・という事件だったとのこと。初めて知りました。1962年のことだそうです。
これが、新憲法とは?という大きな問題をつきつけるものでした。
日本はこれから先、永久に戦争をしない、軍隊も持たない、と宣言した新憲法。
「自衛隊法」とはその憲法に反しないのか?・・・
戦後17年、戦争体験者がまだまだたくさんいたころの日本には、この憲法の精神を生かそう、守ろうという気概を持った弁護士だちが大勢いたと思われ、全国から駆け付けた弁護士による大きな弁護団が結成されたそうです。
その裁判の様子が映画の中で再現されています。
以前ならけっこう地味で(退屈な?)場面と感じたかもしれませんが、「虎に翼」を見ていたので、あの3人のひとりがとらちゃんだったら・・・などと思って見ていました!
なにしろ弁護士の弁論が熱い!
自衛隊法で民間人を裁くということがありうるのか?と理詰めで検事や裁判官に迫ります。
被告人の野崎兄弟の訴えも心に迫ります。
「自分たちは、母親も失い、生活も壊された被害者、なぜ被告と呼ばれるのか・・・」
そして、最終的に裁判官たちも「自衛隊法は違憲」と言わざるをえないとの情報がかけめぐったものの・・・
当日。
「被告人たちは無罪」そして違憲判断はしない、というのが判決だったのです。
「肩すかし判決」と新聞の見出しに大きく。
検察が大喜びした裁判だったそうです。
ずっと後になって、実は「最高裁から圧力がかかった」という証言。
それがこの映画を作った原動力?
この映画はこの事件から50年ということで作られたそうです。ナレーターは仲代達也さん。
そして今、自衛隊はアメリカ軍と一緒になって、軍事訓練、沖縄にはミサイル基地・・・
自衛隊は違憲とはとてもいいにくい状況になってきた日本・・・今は新しい戦前ともいわれています。
災害救助隊として日本や世界の災害地に、武器ではなく、復興のための重機や医療支援をする組織となってくれたらいいのにな・・・
ということで、地味(?)ではあるものの、今の世の中で、もう一度憲法の意味を考える映画と思いました。
そうそう、この映画の題名は「憲法を武器として~恵庭事件 知られざる50年目の真実」というのでした。