
「燃えるドレスを紡いで」以来の東座。
「エターナルメモリー」・・・永遠の記憶という意味のようです。
チリのドキュメンタリー映画。
アカデミー賞にもノミネートされたそうです。
アルツハイマーとなったチリの有名なジャーナリスト(アウグスト)と国民的女優の妻(パウリナ)の日常を淡々と追った作品。
ジャーナリストとして活動していたころなど昔の映像も各所であり、2人の歩んできた道のりもわかってきます。特にチリの極右軍事政権下の過酷な弾圧があったときに、独立メディアとして命がけで政権を批判し続けてきた過去の映像。
以前東座で見た「NO」という実話をもとに創られた映画を思い出しましたが、まさにその時代のことでした。
その時代を乗り越えてきた夫婦なのか・・・
パウリナの、悲しみや苛立ちを抱えつつも共に寄り添う姿は、胸にぐっときます。
大病した家族がいるし、自分たちの年齢など考えると、身につまされる映画でした。
老いや病、介護する家族など、どこの国でも避けられないことですが、ドーンと落ち込むほどではなかったのは、パウリナの明るさ、聡明さ、包み込むような優しさが貫かれていたからかもしれません。
それは二人で過ごしてきた日々の記憶が持つ力でもあるのかな、と思いました。