「サイレント フォールアウト」というドキュメンタリー映画を見にいってきました。
「放射線を浴びたX年後」という映画の1、2に続く3番目の作品とのことです。
第五福竜丸は有名だと思いますが、当時その他にもたくさんの漁船が被ばくしていたそうです。
その乗組員やご家族を訪ねて、コツコツと証言を集めていた高校の先生を追ったドキュメンタリーが最初の作品だったと思います。(映画は見ていませんが、新聞記事とテレビのドキュメンタリーを見たような、かすかな記憶・・・?)
今回の3作目は、アメリカに焦点を当てたものとのこと、マーシャル諸島近辺で繰り返し行われた核実験や、アメリカ本土のネバダ核実験がもたらした被害を、元兵士や近隣の人々を探し当てて証言を引き出しています。
多くの人は当時その危険性についてほとんど知らされていなかったようです。
クリスマス島で、イギリスの若い兵士たちが、何気なく過ごしているすぐそばで核実験が行われていたこと、ラスベガスではワインを飲みながら、ネバダの核実験を眺めるツアー(!)があったということ・・・
びっくりを超えて、背筋が寒くなります。
危険を感じた母親たちが子どもを被曝から守るために始めた「乳歯検査」、これにより核実験前に比べ何十倍ものストロンチウムが検出され、それが当時の大統領ケネディを動かしたのだとか?
これからこの映画を持って、アメリカ各地で上映をする予定とのこと、多くの人はもう終わったこと、遠く離れたところのできごとと思っているそうですが、そんなことはない、地球上全ての人間の問題なのだ、さらにこれから生まれてくる子供たちにもかかわることなのだ、と映画は訴えている、と思いました。
この映画は北杜自主上映会が主催、なんとNPO法人世界ヒバクシャ展が共催です。
サイレント フォールアウトとは「見えない放射性降下物」という意味だそうです。