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風路のこぶちさわ日記

サンドラの小さな家

きのう東座で見た「サンドラの小さな家」。

小さな娘2人を育てるシングルマザーが、自力で家を建てる話。
全くの素人でも、いろいろ努力するなかで少しずつ仲間が集まって、次第に夢が実現していく・・・という、温かなイメージを抱いていたのですが・・・
すごくシビアな映画でした。

夫のDVから2人の娘と逃げてきたサンドラ。
公営住宅は順番待ちでいつ入れるかわからない。ホテルで仮住まいをしているが、働く場所からも遠くてたいへん。
ある日、娘との会話から、小さな家を自分で建てるというアイデアが浮かぶ。
もちろん大工仕事など全くの素人。

サンドラの小さな家_f0019247_15065050.jpg

自分で家を建てたという人の動画を見つけ、やってみようと決心する。
しかし、土地探しから、道具や建築材料の調達、建築許可の申請など、様々なハードルが待ち構えている。
それでも少しずつ前に進み、仲間が増え・・・、希望がちょっと見えてくる・・・

最初のひと鍬を入れるところから、次第に家の形になっていくところ、見ていてわくわく。
実際に撮影と同じように建てていったとのこと。俳優さんたちにとってもわくわくする日々だったそう。

しかし・・・DV!
良く知らない他人が見たら、相手も反省しているみたいだから、子どものためにも元のさやに納まった方がいいんじゃない?と言ってしまいそうだけど、そんななまやさしいものじゃない。
本当に命にかかわるような苛酷さ。精神も追い詰められる。
きっと加害者にもどうにもできない部分があるのかも・・・? 依存症のように。

「ニューヨーク、親切なロシア料理店」もちょっと思い出しました。

原題は「herself」
主演の女優さん(クレア・ダン)がなんと脚本も書いています。
彼女の親友からの「ホームレスになってしまった」という電話から、この映画を作ろうと思ったのだそうです。

アイルランドでもシングルマザーは厳しい状態にあるのだな~・・・
日本でも、今まででも厳しかったのに、コロナ禍でさらに仕事を失ったり、低賃金だったり、女性の自殺者が増えていたり、と胸が痛む話を聞きます。
・・・温かい手は差し伸べられているのだろうか?決してよその国のことではないような・・・?


by kaze-michi | 2021-07-17 22:31 | 本・音楽・映画・劇・テレビ | Trackback | Comments(0)