きのう東座で見た「サンドラの小さな家」。
小さな娘2人を育てるシングルマザーが、自力で家を建てる話。
全くの素人でも、いろいろ努力するなかで少しずつ仲間が集まって、次第に夢が実現していく・・・という、温かなイメージを抱いていたのですが・・・
すごくシビアな映画でした。
夫のDVから2人の娘と逃げてきたサンドラ。
公営住宅は順番待ちでいつ入れるかわからない。ホテルで仮住まいをしているが、働く場所からも遠くてたいへん。
ある日、娘との会話から、小さな家を自分で建てるというアイデアが浮かぶ。
もちろん大工仕事など全くの素人。
自分で家を建てたという人の動画を見つけ、やってみようと決心する。
しかし、土地探しから、道具や建築材料の調達、建築許可の申請など、様々なハードルが待ち構えている。
それでも少しずつ前に進み、仲間が増え・・・、希望がちょっと見えてくる・・・
最初のひと鍬を入れるところから、次第に家の形になっていくところ、見ていてわくわく。
実際に撮影と同じように建てていったとのこと。俳優さんたちにとってもわくわくする日々だったそう。
しかし・・・DV!
良く知らない他人が見たら、相手も反省しているみたいだから、子どものためにも元のさやに納まった方がいいんじゃない?と言ってしまいそうだけど、そんななまやさしいものじゃない。
本当に命にかかわるような苛酷さ。精神も追い詰められる。
きっと加害者にもどうにもできない部分があるのかも・・・? 依存症のように。
「ニューヨーク、親切なロシア料理店」もちょっと思い出しました。
原題は「herself」
主演の女優さん(クレア・ダン)がなんと脚本も書いています。
彼女の親友からの「ホームレスになってしまった」という電話から、この映画を作ろうと思ったのだそうです。
アイルランドでもシングルマザーは厳しい状態にあるのだな~・・・
日本でも、今まででも厳しかったのに、コロナ禍でさらに仕事を失ったり、低賃金だったり、女性の自殺者が増えていたり、と胸が痛む話を聞きます。
・・・温かい手は差し伸べられているのだろうか?決してよその国のことではないような・・・?