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風路のこぶちさわ日記

「パレードへようこそ」

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今年のナンバー1かもしれない。
「パレードへようこそ」

1980年代のイギリス。サッチャー首相の「多くの炭鉱を閉鎖する」という政策に抗議して長期のストライキを行っている炭鉱の労働者たち。
そのニュースを見て「サッチャーにいじめられている」という共通点があるじゃないか!と支援のための募金活動を思いつくゲイのマーク。
・・・・
全く合わないような同性愛者と炭鉱の労働者たち。

それから起こるさまざまなできごとが実話に基づくというのがびっくり。

最初に同性愛者たちが暮らすロンドンにやってくる炭鉱の代表者のスピーチが泣けます。「自分たちが戦っている相手がとてつもなく大きくて、自分たちの運動が無力に思えるとき、どこか遠くで自分たちを応援してくれている人々がいるということが、どれほど力になることか・・・あなたたちがくれたのはお金ではない、友情です」 (正確ではありませんが、こんな感じ)

もちろん、そういう人ばかりではなく、多くの差別や偏見が待ち受けています。

でもこの映画を見ていると、
差別や偏見を持っている人の方が、縛られていて、不自然・不自由に思えた。
偏見から自由になって、「同じひとりの人」として接することができる人ほどしなやかでステキに見える。
最後まで、差別意識から逃れられない人は、なんだかかわいそうなくらい。本人はそれが正義だと思っているふうなのがなおさら。

そして、組合というものの原点を思い起こさせられた。
1人だけでは弱いけれど、一人のためにみんなが力を合わせて強大な会社や政府に立ち向かう。
100年も前に作られた炭鉱の組合の旗にはがっしりと握手する手と手が描かれている。

今では組合ということばが地に落ちたように思える?この国だけれど、組合というものへの信頼、組合員であることの誇りが確かにあったのだ、と思わされた。(今もあるのだと思うけど)
原題はRRIDE。
同性愛者のパレードも「プライド・マーチ」(誇りをかけた行進)と名づけられていたそうです。

俳優さん1人1人の存在感もすごい。
最後のシーンもうるっとします。音楽も良かった。
塩尻東座。FROM EAST。6月26日まで。もう一回見にいきたい。
by kaze-michi | 2015-06-17 23:55 | 本・音楽・映画・劇・テレビ | Trackback | Comments(0)