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風路のこぶちさわ日記

「いわさきちひろ~27歳の旅立ち」

雪の予報を聞いて、また延期か?と一瞬思いましたが、何とか試写会を開催することができました。
いわさきちひろさんの絵は子供や花をやわらかなタッチで描いていて、周りにもファンがけっこういます(特に女性?)。東京や安曇野のちひろ美術館へ行ったという友人もいます。私は以前ちひろカレンダーを買ったことがある位ですが。

この映画は、ゆかりの人たちの証言を聞きながら、多くの絵とともにその波乱に満ちた生涯をたどる、という構成になっています。ナレーションをアナウンサーの加賀美幸子さんがやっているせいもあるのか、NHKのドキュメンタリー番組のよう・・・と感想を述べた方もいました。

1918年生まれ。
若い頃から絵を描いて生きていきたい、という強い意思を持っていたそうです。
そんな彼女でさえ、親の決めた結婚を拒否することができず、その結婚に失敗した後は、親の薦めで満州に渡り・・・と自分の意思と離れた不本意な人生を余儀なくされていたのでした。

しかし戦後、27歳になって全てを失ったときに絵を描いて生きて行く決意をして疎開先から上京・・・運命の人・松本善明さんとの出会い・・・絵を芸術品として扱ってもらうために出版社と交渉、その結果仕事が極端に減るもあきらめず・・・女性として絵描きとして、道を切り開いてきた人生だったと知りました。
享年55歳、若過ぎる!

ベトナム戦争の時、戦禍の中の子供たちのことを、弱った体で描き続けたそうです。あのやわらかなタッチでありながら、子供を守ろうとする母親のまなざしにちひろさんの強さを見た気がしました。



今、原発事故後のこの国を、もしもちひろさんが見ていたらどんな絵を描いただろう・・・とは、多くの人が共有する思いだったのではないでしょうか。


監督が海南友子さん。他の作品で見てみたいもの、いくつかあります。
by kaze-michi | 2013-01-23 23:14 | 本・音楽・映画・劇・テレビ | Trackback | Comments(0)