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風路のこぶちさわ日記

「サラの鍵」

「サラの鍵」_f0019247_22195460.jpg「風のたより」の作業が午後からとなり、行きたかった映画「サラの鍵」を見に行ってきました。
この映画は予告で見て、ちょっと重いかな、怖いかな・・・と見るのを躊躇する気持ちもありました。(ユダヤ人が一斉に検挙されるとき、少女が弟を助けようと納戸に鍵をかけて隠すのです。そのまま少女も両親も帰れず・・・)

でも見て本当に良かったです。
フランス人がフランスの恥部ともいうべき事実と向き合い、それをきちんと伝えていこう、という意思を感じました。もしも自分がフランス人だったら、きっと「誇りに思う」と思う・・・。

1942年7月パリで実際にあった事実。その時10歳だった少女の辿った苛酷な運命と、それを追う現代の女性ジャーナリストを交互に映しだします。

ジャーナリストのジュリアが、ユダヤ人を迫害した「ヴェルディヴ事件」を記事に取り上げたい、と職場で発言すると、若い同僚は2人ともそのことを知りません。
そして「ドイツ人がやったんだろう」と言う同僚に、「フランスの政府と警察が行ったのよ」とジュリア。
それを聞いたときの若者たちの表情・・・その場面がすごく印象的でした。

シラク大統領が1995年にヴェルディヴで演説し「ホロコーストについてフランスが国家として行ったことの責任は時効の無い負債である」と率直に認めた・・・そのことも知らない若い同僚たち。

「どのような歴史であれ、真実をきちんと受け継いでいこう」という思いを、骨太の映画として見応えのある作品に創り上げたこと、心の底から称賛したいです。

フロムイーストの合木さんの解説によれば、10歳のユダヤの少女を演じたメリュジーヌ・マヤンスちゃんはもう子役ではなく女優だと監督も舌を巻いたとのこと。
監督も38歳という若さ!

パンフレットもしゃれています・・・表紙に鍵穴が開いているのです。


by kaze-michi | 2012-09-21 21:57 | FROM EAST | Trackback | Comments(0)